2015年5月24日日曜日

蝦夷戦争出征将兵個人の移動確認史料を発見できるか

墨書土器の筆跡鑑定により同一個人が書いた史料(墨書土器)を特定できるのではないかと考えています。

次は八千代市白幡前遺跡出土の墨書文字「生」の例です。

八千代市白幡前遺跡出土墨書文字「生」の例

白幡前遺跡だけで文字「生」の書かれた史料は90以上あり、同一出土地点等の状況を考慮して仔細に検討すれば同一個人が書いた可能性の高い史料を見つけ出すことは可能だと思います。

筆跡は画像ですから、筆跡鑑定ソフトを使えば高精度な同一個人墨書の特定が可能だと考えます。

そこで、同一個人が書いた可能性が高いことを示す筆跡鑑定が画像分析で可能であると考えます。

そのような前提を設けると、画像つき墨書土器データベースが全国レベルで整備されているので、蝦夷戦争出征将兵個人の移動確認史料の発見可能性が眼前に見えてきます。

ブログ「花見川流域を歩く」の八千代市白幡前遺跡(蝦夷戦争の最大兵站基地)の墨書土器検討で、「生」は戦地に向かう将兵一般が使うポピュラーな祈願文字であったと考えました。(2015.05.11記事「八千代市白幡前遺跡 墨書土器の文字検討 その1」参照)

戦地に向かう将兵Aが白幡前遺跡(兵站基地)にある期間逗留して、そこで文字「生」を土器に墨書して戦死回避を祈願することがあったとします。
その将兵Aが陸奥国に向かう別の途中基地で、あるいは陸奥国戦場近くの基地で再び文字「生」を土器に墨書して戦死回避を祈願したとします。

このような想定をすると、特定個人が蝦夷戦争出征に伴い移動途中で複数の墨書をしたことになります。

次の図は「生」文字が含まれる墨書土器データの分布図です。

文字「生」を伴う墨書土器が出土した遺跡分布

文字「生」を伴う墨書土器データは全国で840件あります。

840件の画像「生」を分析して同一個人が書いた可能性が高い史料を見つけ出すことは、パソコンを使えば(筆跡鑑定ソフトを使えば)容易な作業であると考えられます。

画像つきの全国墨書土器データベースが一部都県で整備されている(秋田県、茨城県、栃木県等26都県)ので、検討条件を整備すれば(筆跡鑑定ソフトを入手するなどすれば)、蝦夷戦争に出征した特定個人の複数移動ポイントを見つけ出すことが可能であることに気がつきました。

自分の古代交通関連問題意識が花見川流域や下総国レベルから拡がり、東北全体をカバーするような発展的状況が生まれた時には、全国を対象とした墨書同一個人特定プロジェクトに取り組みたいと思います。

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