2015年6月13日土曜日

出現数上位50位までの墨書土器文字の割合

出現数上位50位までの墨書土器文字の全史料に対する割合が知りたくて、集計してみました。

出現数上位50位までの墨書土器文字の割合
全国墨書土器・刻書土器データベース(csvファイル) 明治大学日本古代学研究所 より集計

参考 墨書土器出土数
全国墨書土器・刻書土器データベース(csvファイル) 明治大学日本古代学研究所 より集計

出現数上位50位までの墨書土器文字の割合は全国20.7%、千葉県23.9%ではあまり変化がありません。

しかし、萱田地区4遺跡は53.0%で急上昇します。

これは遺跡単位、あるいは交流が密な遺跡群単位で、ある特定の文字群が好んで使われていることを示していると考えます。

交流が密とは言えなくなる県単位とか全国単位になると、遺跡(群)単位の選好的言葉が統計的に平均化されてしまい、上位50位の文字の割合は、同じような20%台前半になるということだと思います。

このグラフから、墨書土器の文字(群)は遺跡や遺跡群など明瞭な交流が確認できる領域単位で、その好みがあることがより明白になりました。

逆に考えると、類似文字が多出する遺跡(群)の間には交流の存在が推定できるということです。

墨書文字統計から、近隣の遺跡(群)間交流だけでなく、遠隔の遺跡(群)間の交流存在が推定できれば、おもしろことです。

別の興味ですが、遺跡(群)毎に異なった好みの墨書文字(群)が存在するのですから、それを遺跡(群)の固有情報とすることができます。

遺跡(群)を特定文字(群)で表象することができます。

県の花、県の木、県の鳥、県の旗、県の…と同じように遺跡(群)を特定文字(群)でイメージすることができるようになります。

遺跡(群)の名称以外に墨書土器文字(群)を遺跡に与えると、遺跡(群)理解が促進されると考えます。


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