2015年6月9日火曜日

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50

昨日この記事をアップしようとした直前に外付けハードディスクがクラッシュしてしまい、作成したファイルが全部パーになってしまいました。

本日最初から作業し直してデータをつくり、記事をアップします。

全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50と同じ方法で千葉県版データを作成してみました。

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50

参考に全国版の情報を再掲します。

参考 全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50

上記二つの情報から、千葉県ベスト50の文字で全国ベスト50に入るものに○をしてみました。

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50で全国ベスト50に入るもの

千葉県ベスト50のうち29の文字が全国ベスト50にも入ります。

統計的な検定ではありませんが、感覚的には、千葉県で出土する墨書土器の文字と全国で出土する文字との間には一定の相関があり、千葉県だけが特異な文字を多出するということではないようです。ある程度似ているということです。

ちなみに、第1位「×」と第2位「大」は同じです。

詳しく見ると千葉県と全国の順位に幾つかの顕著な相違がみられます。

千葉県で7位「天(則天文字)」、12位「(□(天ヵ(則天文字))」は全国50位には入りません。
同じく千葉県10位「出」、40位「出ヵ」も全国50位には入りません。

特に「天(則天文字)」は中国直輸入の舶来文字ですから気になります。
ちなみにその出土遺跡を調べると、市原市の片又木遺跡からの出土が大半を占めています。

また「出」は習志野市の谷津貝塚E地点からの出土がきわめて多くなっています。

文字の遺跡間偏在性は極めて大きなものがあります。

この記事では統計分析は全くしておらず、単に順位を紹介しているだけですが、墨書文字の遺跡間偏在性が大きいので、その特性を利用して遺跡間の結びつきを検討することも可能であるような予想を立てています。

あるいは文字内容は別にして、特定文字だけにかたよる遺跡と、多様な文字が出土する遺跡を統計的に分別することは可能ですから、その情報から遺跡の社会交流面での特性を明らかにすることも可能だと考えます。

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