6市の小字数は7709件あります。
この中から同じ名称を名寄せしてカウントする技術は以前は持っていなかったのですが、墨書土器データベース約12万件を扱う中で、エクセルの関数を利用して出現数をカウントする技術を身に付けました。
早速その技術を小字地名データベースにも応用してみました。
小字としてどのような名称が多いか、データベースがないのですから、統計的な検討はこれまで、社会的にほとんどないと思います。
従って、この記事で紹介するような情報は社会初出だと思います。
6市小字7709件のうち、出現数の多い小字をグラフで示します。
6市域の出現数上位20位までの小字名称
1位から10位は次の通りです。
前田、新山、堀込、町田、大作、大山、上谷津、一丁目、台畑、長作
11位から20位は次の通りです。
本郷、新田、宮田、花輪、出戸、向原、内野、二丁目、宮ノ下、前畑
同じ地名は同じような状況下で生まれたと考えることができますから、多出する小字名称は多数地点の比較検討が出来るということから、その地名の意味や背景を深めることができる可能性をはらんでいると考えます。
上位20位までの小字のうち、このブログでこれまで検討したことのある地名として花輪をあげることができます。花輪は縄文語起源と想定している重要な検討対象です。その花輪が17件出現したのですから、将来の花輪検討が楽しみです。
上位20位の地名に「前」「内」「大」「新」の文字が含まれていることに注目できると考えます。
前田、前畑、内野はその田、畑、野の所有関係を地名に投影した言葉であると考えます。「前から自分のもの」「手前(自分)のもの」「集落の領域の内側にあるもの」など。そうした所有関係を強調する必要性や背景が、多数地点の比較から判れば面白いと考えます。
大作、大山、台畑(=大畑)などは収穫物の多い耕作地やそれから連想される富裕さを表現していると考えます。実際にそうなのか、多数地点の比較からなにか言えれば面白いと考えます。
新山、新田は新たな開発地を表現していると考えます。
堀込、町田、長作、本郷、宮田、出戸、向原、宮ノ下などの名称もそれぞれその意味を絞り込むことができると考えます。
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