具体的には角川千葉県地名大辞典の付録小字一覧を電子化して、ExcelやFile Makerで使えるデータベースを作成しています。
分布図の電子化を一緒にしようとするととんでもない作業になりますので、それはとりあえず望まず、とにかく紙の小字リストを電子化して、パソコンで自由に検索できるようにしようとしています。
現在の進捗状況は次の通りです。
千葉県小字地名データベース作成作業の進捗状況
作業の効率化が加速していますので、1年位先には完成させるつもりです。
この情報を使って検討した結果は、アドレスマッチングの技術を使えば、小字を大字の位置にプロットできますから、おおよその位置をGISで知ることはできます。
また大判地図や冊子形式での小字分布図はこれまで作業した市では概ねの地域で存在しています。
これまでに作業した市の小字分布地図情報
ですから、当面は小字データベースで検討した結果(何らかの小字リスト)の地図表現はアドレスマッチングや紙の情報を見て手作業で原始的に行うことになります。
さて、この原始的手作業を少しでも効率化するための工夫を考えておきたいと思います。
現在、データベース作成作業(電子化作業)で手一杯ですから、小字リストの地図表現技術開発作業を行うことはできませんが、技術開発のイメージを考えておくことは大いに意義があると思います。
考えているうちに、超効率的な地図表現技術に気が付かないとも限りません。
夢のような超効率的な地図表現技術が生れないにしても、日常的に地図表現技術の開発について思考していれば、良いアイディアは必ず生まれると思います。
この記事では、現在考えている小字リストの地図表現に関する小技をメモしておきます。
1 小字分布図(大判地図・冊子)の収集と電子化(スキャン)
小字データベース化(電子化)が終了した市の範囲の小字分布図を収集し、電子化するつもりです。
下総国の範囲については、この作業を完結したいと希望しています。
2 スキャンした小字分布地図をGISに貼り付け、小字位置を点情報として得ることができる基盤をつくる
スキャンした小字分布図をGIS上で「画像位置合わせ」をしてGISに貼り付けると、小字リストの電子的地図表現の基盤ができます。
「画像位置合わせ」をした画像を下敷きにして、GIS上で小字位置を「点情報」でプロットできます。この作業は容易です。
小字位置の点は目検討で小字の中心にプロットすることになります。飛び地情報は捨象します。
点情報でプロットすることを前提とするならば、「画像合わせ」の精度はほどほどでよいことになり、作業がはかどります。
この作業は自分に必要が生じた領域について、随時行うことになります。
スキャンした小字分布図をGISで画像位置合わせした例(最も難易度の高い例)
小字分布図は「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」からスキャンしたもの
画像位置合わせに際しては、旧版地形図など各種地図を総動員して行います。
小字リストを点情報としてGIS上にプロットした例
GISにプロットした点情報は緯度・経度情報を持っていますから、その情報を他のGISやGoogle earthなどに使い廻しすることができます。
3 全ての小字位置を点情報として得る
これができれば事実上千葉県小字電子地図が完成したことになります。
将来の夢です。
4 スキャンした小字分布地図から小字位置を面情報として得る
スキャンした小字分布地図の小字界線をなぞって、GIS上で小字分布図(面情報)をつくることができます。
しかし、この場合スキャンした小字分布図を精確に「画像位置合わせ」するために、時間がかかります。また完全に一致することはないので、機械的に小字界線をトレースするということにはならず、相当レベルの高い職人技が必要になると思います。
複雑な飛び地処理をどうするかという問題もあります。
面情報としての千葉県小字電子地図は今のところ、夢のまた夢です。
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