2015年9月30日水曜日

オーバーハングした谷地形

半世紀程前に読んだ地形学の本に、V字谷やU字谷の説明に続いて、谷地形がオーバーハングしてしまって、谷底から天空が見えなくなってしまった例が掲載されていた記憶を鮮明にもっています。

記憶の図化「昔読んだ本に出ていた珍しい谷地形の説明図」

どの本に書いてあったのか、その本を今持っているかどうか不明です。

これとおなじ谷地形を数年前に実際に見ましたので紹介します。

アメリカアリゾナ州のアンテロープキャニオンです。

アンテロープキャニオンの位置
Google earth から引用

Google earth でその地形が良くわかります。

次の絵は上流から下流方向を見たものです。地形は、広い谷が巨大な土塁あるいは土手で塞がれてしまっているように見えます。

上流から下流方向をみた谷地形
Google earth から引用

実は土塁の右側にみえる黒い筋が谷(アンテロープキャニオン)になります。

次の絵は下流から上流方向を見たものです。土塁を裂くように見える黒い筋が谷(アンテロープキャニオン)そのものです。

下流から上流方向をみた谷地形
Google earth から引用

手前の谷底には観光客を運んできたランドクルーザーが並んでいます。

アンテロープキャニオンの上流入口

アンテロープキャニオンの中
狭い所で2mほどしかありません。

アンテロープキャニオンの中

アンテロープキャニオンの天空
空が見える箇所は極めて限られています。

アンテロープキャニオンの天空

アンテロープキャニオンの下流出口

地層は手で崩せるような柔らかい砂層ですから、なぜここだけ水流による侵蝕形状が異なるのか、理解できません。

アンテロープキャニオンは観光地となっていて、ナバホ族の収入源の一つになっているようでした。

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